
ああ、ユーロもう終わっちゃった。
毎日ウキウキと試合に一喜一憂して、その闘いぶりを楽しんだり、新しい選手を知る喜びを満喫できる時間が終わりました。
選手達、お疲れ様でした。楽しませてくれてありがとう。
で、ギリシア優勝おめでとう。本当に強かった。負けないサッカーを遂行する完璧な形を、こうすればいいんだ、というやり方を、あなた方の試合ぶりに見ました。
これといったスターはいない。でも90分もの間、全員が集中力を切らさなければ勝利を手に出来るんだという証明です。
それは実際、大変に難しいことで、ギリシアが強いのは掛け値なしなので、素直に勝利を祝福します。
そしてポルトガル、本当に残念でした。
これ以上ない、というタイトル獲得のチャンスでしたが、掴み損ねました。サッカーを見慣れた人なら、前半0-0で終わった時点で、ああこれは完全に押さえ込まれたか、と感じた皆さんも多かったと思います。
今はゾーンの方がマンマーク(1対1のマーク)より有効だと言われていますが、ひっつきまくって仕事をさせない状態を徹底すれば、マンマークはこうも恐ろしいと思いました。ポルトガルはこれにやられました。
でもポルトガルの建て直しからの進撃がなければ、強豪が次々に去っていったユーロ04は最後まで気を揉む展開にならなかったので、よく頑張ってくれたと思います。
さて、一応そういう結論を出しまして、ここからは一ファンとしての本心を語りましょう。私はTV局の解説陣でもないので、何とか盛り上げようなんて思わず、感想をそのまま言えます。
ギリシアは本当に強い。でも、正直に言えば、彼らのサッカーに端で観ていて心がワクワクするような面白さはないと私は感じます。強いけど、特に好きだと感じないチームの一つでしょう。そうかと言って、嫌いでもないんですけどね。
ただ、結局は美的かどうか、好みの問題ですが、ギリシアより、他の試合、見たいなあと本心で思ってしまうのです。
これだけ「無名状態」からジャイアントキリングを連発して快進撃のチームであれば、否が応でも盛り上がって注目するのが普通です。なのに、です。
それだけ特色を出せば普通は、あ、次もギリシアが見られる、と楽しみにするところですが、ああ、またあの展開か、と、そうでもないのです。
毎回同じなのです。ああ、また守りきって仕事をさせないパターンか。最初からそう読めてしまうのと、相手のいいところが消えてしまうのを、物足りなく感じてしまうのです。
ずっと我慢して守り抜き、同時に相手のいいところを消して仕事をさせない。そしてチャンスを狙う。
実はサッカーファンはそういう試合運びが負けないのをよく知っています。言うほど簡単に実行出来ないことも分かっていますが、そういうサッカーをありがたがることは希です。
面白くなくても、重大なタイトルが掛かった試合は「負けないサッカー」でぶざまでもいいから勝って欲しい、それはどうしようもない本音です。
でも好きなのは見ていて心躍るサッカーです。
反撃のカウンターを食らって攻撃の後のスペースをつかれてあたふたしても、バンバンシュートを打っていく姿勢です。ずっと我慢してチャンスを待つより、何かアレコレ仕掛けていってゴールをこじ開ける展開が好きなのです。
それは反撃の危険度も高く、下手すると大敗までします。それでも懲りずにしつこく相手のゴールを襲い続けるサッカーは、実はとても面白いものです。
そしてファンは心臓に悪い、ハラハラとさせられる予想がつかない展開を最後までやきもきして楽しみたいのです。(PK戦は運次第な要素が大きすぎて、ちょっと勘弁ね、ってとこはあるのですが。)
前半0点になった時点で、ああまたこのパターンかと思いたくはないのです。
大体オランダ贔屓の私でも、2点差をひっくり返してチェコが逆転勝利したオランダ対チェコを観ていて、このチェコのしぶとさは素晴らしいと思いました。たとえ贔屓チームが負けても、面白い試合というのはあるのです。負けても納得出来る試合というのは、大きな価値があります。そして自分の贔屓チームが増える事になります。ファンにとっての収穫って、そういうことです。
スウェーデンもいつも元気いっぱいゴールを襲う、観ていて楽しいチームです。ポルトガルのリズミカルなパスワークも楽しいです。
あ、次は○○チームの試合だ、またアレが観られる、というお家芸があると試合展開の魅力は倍増です。
途中で敗れたチームであっても、魅力を堪能させてくれたという時点で、彼らはファンに対する勝者だと思う私です。
優勝チーム以外、カップは手にし損なっても、選手達が怪我をしないでまた活躍してくれることを祈る、そういう気持ちにあらためてさせてくれるのがいいんです。それが、様々な試合展開や、選手の闘いぶりを観られる、大きな大会の魅力です。
ところで。デコって、あの素朴な髭剃り跡の残る顔とか、誰かに似てるんだけど、思い出せないわ……。