
誰がコメントしたのか失念しているのですが、最近「今のオタクは昔と違って、モノを生み出さなくなった。消費するのみの行動ばかりが目に付く」という事を聞きました。
私もオタクの一人として言うなら、昔はオタクのニーズにぴったりハマるものがそうそう無かった。だから自分で作ったんです。
こんな漫画が読みたいと思えば、待つか探すより自分で描く、という風に。
今は事情が違うのです。手に入れたいものが溢れています。情報はネットにあるので自分でそれなりに動けばキャッチできて、モノは探せば見つかる確率が大きくなりました。
だから作らなくていい。それでベクトルは既存のものの収集へと向かうのです。
オタク達の好みは細分化されて多種多様ですが、種類も量もそのニーズに応えるべく、それぞれで手に入れようと思わせるものがあるのです。
現在は一つの流行がメガヒットになるというより、それぞれの分野で独立して流行していく形になっています。流行が大きな社会現象となるまでには至らないで、そこそこ流行って終息していくように思えます。
世の中も、オタク達の購買活動が結構な市場となるのが分かってからは、企業はさっさと作ってさっさと消費させるという方向に流れました。だから今、オタクは消費する人々というイメージが強いのだと思います。
どうせ金を出すならいいものが欲しい。プロの方が質の高いモノを提供するから、モノ作りの際の創意工夫はプロに任せておこう。素人がやると労力が大変だし、時間を大幅に取られてしまう。オタクと言えど、現代人は皆忙しいのだ。
そういう考え方も多いかもしれません。
しかし、収集癖に共通する性質は、超レアものを欲しがるという傾向です。
他の誰も持っていない、でも皆が欲しがるものを手に入れたい。
その為の努力は惜しまない。
私はどっちかというと、その超レアものを手に入れる時間と労力を惜しむタイプです。となると、超レアなものは探し回るより、自分で作る方が早くないか? とか思ったりします。
自分が自分のためにだけ作った物は、他に存在しないので超レアです。
それじゃ駄目だ、他人が所有していることを全員羨ましがるものでないと駄目だ、ということなら、既存の製品への消費行動にのめり込めば話は単純です。
そうでなくても要は「自分が欲しいというモノであるかどうか」に焦点を絞るなら、自分で作った方が早い、わけです。
何より自分で作ることが楽しい。
そう強く思っている人がオタクからクリエイターなどになっていくんでしょうね。
別に今、オタク出身のクリエイターが少なくなっているわけではなく、消費行動だけが目立つオタクの数の方が格段に増えたってことじゃないかなと思うのです。
しかし確かにオタクの数と比例して、クリエイターも増えたかというと、そんな印象は薄い気がしますねえ。
カットは花田咲也くんの妹、さくらちゃん。私のキャラでオタクといえばこの子なので。