
一昨日の水曜レディスデイに、ディズニーのCGアニメ「ボルト」を観てきました。
面白くて楽しめました。何しろ、私一人で貸し切り状態で観たのですから。\2,000でこれは安い!
隣町にある郊外のシネコンに行ったのですが、水曜レディースデイでも3D眼鏡をかけて観る映画は割引対象外なんです。だからわざわざ割引の日にこれを観る人は少ないだろうと思って、狙って行ったら大当たり!
まあ、もう長く上映したのでお客自体少ないだろうし、夏休みは終わってたからまず楽に見れるだろうとは思っていましたが。
なかなかこんな風に上手く上映状況と条件が合うとは思いませんが、是非また機会があったらこういう形で観てみたいと思います。
そのくらい試聴環境が良かったんです。子供向けの映画なのに走り回る子供もいないし、目の前に背の高い人が座ったりしないし。椅子の肘掛けは両側使い放題だし。
で、3D眼鏡をかけて観たら、本当に飛び出して見える〜〜〜!面白〜〜〜い。
画面の中がもの凄く奥行きがあって、近くに飛んでくるものは目の前に感じられて遊園地のアトラクションの映像のみたい!
「ボルト」自体もとても良くできた作品で楽しめました。
製作総指揮がピクサーの中心人物、ジョン・ラセターなんです。トイ・ストーリーの監督さんね。
ピクサーが参加してからのディズニー制作のCGアニメは脚本と演出がよく練り込まれて質の高い作品が増えたと思います。これ、まんまピクサーの雰囲気だなと思ったら、同時上映もピクサーの名作「カーズ」の番外編でした。但しこの番外編は本当に軽く作られたものです。カーズ好きとしては楽しかったです。
主人公「ボルト」はTVの特殊能力を持つスーパードッグ役で大人気のスター犬です。
しかしボルトはリアリティを出そうと狙う監督の意向で、番組中の役柄をそのまま現実だと思いこまされて撮影所の中だけで育ちました。
主人公で飼い主の少女、ペニーが悪役にさらわれると、彼女を救おうと必死になります。その為アクシデントで実際ボルトは撮影所を飛び出します。
偶然が重なりハリウッドからニューヨークまで運ばれてしまったボルトは、街で自分が持っていたスーパーパワーの一切が使えなくなっていることにショックを受けます。TVの外では何の力も持たない一匹の犬なのです。
それでもペニーを救うため、ボルトは知り合った猫のミトンズと共に、ハリウッドを目指します。
というお話。
信じていた世界が一度崩壊して、新しく構築しなおすのは「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーの体験と同じですね。
が、扱うテーマが同じというのみで、焼き直し感はありませんでした。猫のミトンズやハムスターのライノ達と接しながら、普通の犬の感覚を学び治していく展開などが違いますから。
構成も、後半ハリウッドに簡単に到着する印象はあるものの、尺の問題でそうそう長々描写できないという問題を考慮すれば、良くできていて飽きさせずテンポよく話がすすみます。
キャラクターもハイテンションのライノなど、楽しい仲間と、屈折している猫のミトンズなど、ナルホドと思わせ、かつ愛すべき存在に描けていて説得力があります。脇役の鳩たちも面白かったなあ。
愛情深いペニーの物静かなママも、とにかく自分の思惑優先のマネージャーも、いそうだなと思わせるキャラで楽しめました。
最近、本家ピクサーの方が、「レミーの美味しいレストラン」等で脚本の練り込みに少し不足感があって、以前の作品より私は満足できずにいたのですが、今回は小さな子供向けの作品としてはよく練られた展開だと思えました。
自分の信じていた世界が根底から覆され、ボルトはショックで何も信じられなくなっても無理もないところですが、ヘコむ前に愛するペニーの危機の方が大問題です。何よりもペニーを救うというボルトの必死さに観客は声援を送るのです。
そして、ボルトへの愛情もお芝居の中の事だったかという恐ろしい疑惑は果たして本当なのか、どうなるボルト、と観客を引っ張り楽しませてくれる、オススメ作品です。